Tyshawn Jones(タイショーン・ジョーンズ) vs Supremeの訴訟の行方
「スケーターの人生とブランドの境界線は、どこに引かれるべきか？」
この問いに答えようとするかのような訴訟が話題になっている。主役は、スケート界のカリスマ、タイショーン・ジョーンズ。そして対するは、世界のストリートウェアを変えた存在、Supremeだ。
ストリートの顔、契約解除される
タイショーンは、11歳でSupremeと出会い、13歳で正式なライダーに。2018年・2022年の2度、スラッシャー誌の「SOTY（Skater of the Year）」を受賞し、Supremeの広告塔としてそのスタイルとパーソナリティを完全に体現してきた。だが2024年9月、Supremeは突然、彼とのスポンサー契約を解除。そのわずか数カ月後、タイショーンは契約不履行と名誉毀損を理由に、2600万ドルという巨額訴訟を提起する。
背景にあるのはマーク・ジェイコブス？
Supremeが理由として挙げたのは、マーク・ジェイコブスとNIGOによるフォトシュート。ジョーンズが他ブランドのセーターを着たことが、「独占契約違反」にあたるという。しかし、彼は過去にもバレンシアガやルイ・ヴィトンのモデルを務めており、Supremeもこれを黙認してきたという。「一貫性のない主張だ」とジョーンズは反論する。
その真意は“コストカット”か？
実はこの契約解除、Supremeがアイウェア大手EssilorLuxotticaに買収される直前のタイミングだった。タイショーン側は、契約解除は買収前のコスト削減策であり、意図的な動きだったと主張する。「Supremeにとって、俺は“ナイキにおけるジョーダン”だった」 この発言に象徴されるように、ジョーンズはブランドとの関係性を極めて特別なものと捉えていた。
名誉毀損の重みと未来への影響
彼が提起したもう一つの争点は「名誉毀損」。Supremeのスタッフが、業界内で彼の信用を貶める発言をしたとされる。特に2025年1月のパリ・ファッションウィークでは、著名なフォトグラファーから「Supremeが“あなたのせい”と言っていた」と伝えられたという。これによりジョーンズは、業界でブラックリスト入り扱いで、立場を揺るがされ、将来の仕事に影響が出ることを懸念している。
まとめ
ジョーンズは失望感を表明しており、次世代のスケートボーダーのために立ち上がる責任を感じていると述べています 。彼は、Supremeの成功は若い才能の貢献によって大きく形作られてきたものであり、それらの貢献は尊重されるべきだと強調しています。カルチャーを体現してきた一人のスケーターと、その象徴的ブランドの断絶は、スケートボード業界の未来の在り方を問い直すものになるかもしれません。
ブランドはアスリートをどう扱うべきか？この裁判の行方は、今後の契約スタイルだけでなく、 次世代のスケーターの“立ち位置”を変えるかもしれません。判決はどうなるのか？ タイショーンの声は届くのか？ ブランドはこの訴訟に対しどう対応するのか。あなたはどっちのスタンスでしょうか。 Supreme？それとも、タイショーン？
